アキレス腱に炎症を起こすアキレス腱炎
アキレス腱は筋肉と骨をつないでいますが、ここで小さな断裂・損傷・再生が繰り返されるうちに、アキレス腱そのものに炎症が生じることがあり、これをアキレス腱炎と言います。
アキレス腱炎の原因
原因となるのは、アキレス腱に繰り返し加わるダメージです。特に、運動後に十分な休憩をとらずにいると、ダメージが蓄積しやすくなります。
そのため、アキレス腱炎はランナーの方によく見られます。
アキレス腱炎の症状
- アキレス腱の痛み
- アキレス腱の腫れ
- アキレス腱を押すと痛い
- 運動開始直後の痛み
- 痛みを我慢して運動を継続すると次第に軽減する
動き始めに痛みが強く、その後運動を継続していると軽減するため、「気のせいだろう」と捉えられがちです。痛みや腫れに気づいたときには運動を中止し、お早目に当院にご相談ください。
アキレス腱炎の検査と診断
問診、触診の上、超音波検査を行い診断します。また必要に応じて、MRI検査も行います。
超音波検査では、簡便かつ詳細にアキレス腱の状態を調べることができます。
アキレス腱炎の治療
安静・薬物療法
運動の中止はもちろん、日常生活でもできる限り安静にします。
加えて、湿布や消炎鎮痛剤の内服といった薬物療法を行います。
体外衝撃波治療
当院では、千葉市で初めて拡散型圧力波治療器『BTL6000TopLine』を導入し、体外衝撃波による治療を行っています。
体外衝撃波によって、組織の深部までアプローチし、損傷組織の再生を促します。
アキレス腱炎の他、五十肩やテニス肘、手根管症候群、大転子疼痛症候群、肉離れ、ジャンパー膝などの痛みの軽減にも有効です。
手術
痛みの出ている腱を部分的に切除する手術が行われることもあります。
ただ、手術後も痛みが残ることもあり、医師と相談した上での慎重な判断が求められます。
アキレス腱付着部炎
アキレス腱付着部炎とは、アキレス腱とかかとの骨の付着部周辺に痛みが生じている状態です。
アキレス腱付着部炎の原因
アキレス腱付着部には、日常生活やスポーツなどで負荷がかかります。
特に、スポーツや肉体労働における繰り返しの負荷によってオーバーユーズになると、アキレス腱付着部炎が起こりやすくなります。
その他、筋肉の柔軟性低下、不適切な靴の使用、かかとの骨の異常なども、発症リスクを高める要因となります。
アキレス腱付着部炎の症状
- アキレス腱付着部の痛み、腫れ
- 足首を上に曲げると強くなる痛み
- 歩行時の痛み
- 靴を履いているときだけ痛む
- 安静時の痛み
悪化すると、安静時にも痛むようになります。我慢して運動を継続すると症状が悪化し、スポーツのパフォーマンス低下にもつながります。
アキレス腱付着部炎の検査と診断
問診、触診、レントゲン検査を行い、診断します。問診では、どのような場面で痛みが出るか・強くなるかをお伺いしますので、できるだけ詳しく症状をお伝えください。必要に応じて、MRI検査も追加します。
アキレス腱付着部炎の治療
ストレッチ・薬物療法
ふくらはぎ、アキレス腱のストレッチを指導し、ご自宅で実践していただきます。
薬物療法では、非ステロイド系消炎鎮痛約の飲み薬、外用剤を使用します。
痛みが強い場合には、ステロイド剤の局所注射を行うことがありますが、腱の強度低下を招くこともありますので、慎重に判断します。
装具療法・適切な靴の選択
ヒールリフト装具、適切な靴の選択などによって、痛みの軽減、腱の負荷の軽減を図ります。
かかとの深い靴を履くと痛みが出やすいため、中敷きの使用も有効です。
体外衝撃波治療
拡散型圧力波治療器『BTL6000TopLine』による、体外衝撃波を活用した治療です。
体外衝撃波によって、損傷した組織の再生を促します。
手術
重症のケースでは、内視鏡を用いてかかとの骨の隆起を取り除く手術が必要になることもあります。